月の形が日々変化していることは、全人類が(?)経験的に把握していることだと思います。月の形の変化(月の満ち欠け)が起こる理屈を理科では学習します。月の満ち欠けについては、苦手にしている人が非常に多い印象です。月の満ち欠けについて、できるだけわかりやすく解説したいと思います。
太陽と地球と月の関係について
まず、太陽と地球と月との関係についてです。月の満ち欠けが生じるのは、太陽と月と地球との位置関係が逐次変化しているからです。「太陽と地球と月についてわかりやすくまとめてみた」でも解説したように、地球は太陽の周りをまわる惑星です。月は、地球の周りをまわる衛星です。つまり、地球が太陽の周りをまわり、月が地球の周りをまわることで、三者の相対位置は逐次変化しています。この位置変化によって、地球から見た月の見え方が変わることが月の満ち欠けの正体です。
月の満ち欠けについて
上の図は、太陽と地球と月との位置関係を表します。月の満ち欠けを考える上では、太陽の位置は一定と考えていいです。地球は、太陽を中心としてまわっているため、地球から太陽までは常に一定距離であると考えて差し支えないからです。
地球の自転によって、太陽の光が当たる部分と太陽が当たらずに影になる部分は変化しています。太陽の当たる部分(上の図で青色の部分)は昼で、影になる部分(上の図で灰色の部分)は夜です。
月は、自分自身では光っていないです。地球から見える月は、太陽の光が当たっている部分ということになります。月の公転によって、太陽の光が当たる部分と当たらない部分が変化します。地球から月を見たときに、太陽の光が当たっている部分は見えますが、太陽の光が当たっていない部分は見えません。
上の図でいうと、月はA→E→C→G→B→H→D→F→Aの順に位置を変えます。Aの位置では、月がまったく見えません(新月)。日数が経過するにつれて月が満ちていき(見える面積が大きくなっていき)、Bの位置で月が見える面積が最大になります(満月)。満月からは日数が経過するにつれて月が欠けていき(見える面積が小さくなっていき)、Aに戻ります。
Aの位置の場合(新月の場合)
図のAの位置に月がある場合を考えます。Aの位置に月がある場合、地球から見て、太陽の光が当たっていない部分しか見ることができません。このため、図のAの位置に月がある場合、地球からは月が見えません。このように、地球から見えない月を新月といいます。
Bの位置の場合(満月の場合)
図のBの位置に月がある場合を考えます。Bの位置に月がある場合、地球から見て、太陽の光が当たった部分の全体を見ることができます。このため、図のBの位置に月がある場合、地球からは円形の月が見えます。このような月を満月といいます。
C,Dの位置の場合(上限の月、下弦の月の場合)
図のCの位置に月がある場合を考えます。Cの位置に月がある場合、地球からみて、太陽の光が当たった部分と太陽の光が当たっていない部分を半分ずつ見ることができます。このため、図のCの位置に月がある場合、地球からは半円の月が見えます。このような月を半月といいます。図のCの位置に月がある場合、右側が光って見えます。このため、Cの位置での月は、右半分の半月です。右半分の半月は、上弦の月ともいいます。上弦の月は、満月に向けてこれから更に満ちていく(見える面積が増えていく)月です。
図のDの位置に月がある場合を考えます。Dの位置に月がある場合、Cの場合と同じように、月は半月ですが、Cの位置とは反対に、左側が光って見えます。このため、Dの位置での月は、左半分の半月です。左半分の半月は、下弦の月ともいいます。下弦の月は、新月に向けてこれから更に欠けていく(見える面積が減っていく)月です。
E,Fの場合(三日月、26日目の月の場合)
図のEの位置に月がある場合を考えます。Eの位置に月がある場合、地球からみて、太陽の光が当たった部分の割合が太陽の光が当たっていない部分の割合よりも少ないです。このため、図のEの位置に月がある場合、半月よりも月が欠けて見えます。このような月を三日月といいます。三日月は、新月から3日目の月です。図のEの位置に月がある場合、右側が光って見えます。三日月は、新月と上弦の月との間の月で、満月に向けてこれから更に満ちていく月です。
図のFの位置に月がある場合を考えます。Fの位置に月がある場合、Eの場合と同じように、月は半月よりも欠けていますが、Eの位置とは反対に、左側が光って見えます。このような月を26日目の月といいます。26日目の月は、新月から26日目の月です。26日目の月は、下弦の月と新月との間の月で、新月に向けて、これから更に欠けていく月です。
G,Hの場合(11日目の月、19日目の月の場合)
図のGの位置に月がある場合を考えます。Gの位置に月がある場合、地球からみて、太陽の光が当たった部分の割合が太陽が当たっていない部分の割合よりも多いです。このため、図のGの位置に月がある場合、半月よりも月が満ちて見えます。このような月を11日目の月といいます。11日目の月は、新月から11日目の月です。図のGの位置に月がある場合、右側が光って見えます。11日目の月は、上弦の月と満月との間の月で、満月に向けてこれから更に満ちていく月です。
図のHの位置に月がある場合を考えます。Hの位置に月がある場合、Gの場合と同じように、月は半月よりも欠けていますが、Gの位置とは反対に、左側が光って見えます。このような月を19日目の月といいます。19日目の月は、新月から19日目の月です。19日目の月は、満月と下弦の月との間の月で、新月に向けて、これから更に欠けていく月です。
月齢について
月の満ち欠けを新月からの日数で表すこともあります。これを月齢といいます。新月を0として、翌日を1、翌々日を2、といった感じで表します。月の満ち欠けの周期は、約29.5日なので、月齢が29に近ければ新月が近いと判断することができます。
月の満ち欠けを動画で覚えよう!
教育動画チャンネルポテスクールでは、学習用の動画を数多く投稿しています。「月の満ち欠けをおぼえよう!」では、月の満ち欠けについて学習することができます。また、月の動きについても学習することができます。天体関係の学習分野を苦手にしている方は多いと思うので、動画を活用して、苦手の克服を試みてください!他にも色々な動画を投稿しているので、学習の際にご活用いただければ幸いです。